臨床研究保険について
1.保険加入が必要となる臨床研究
臨床研究等の実施に際し、当該研究に関連して研究対象者に生じた健康被害に対する補償を行うために、あらかじめ、保険への加入その他の必要な措置を適切に講じることが義務付けられています。
保険への加入を検討する必要のある臨床研究は、以下となります。
- 医師主導治験
- 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき実施する臨床研究
- 「臨床研究法」に基づき実施する臨床研究
- 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成29年2月28日一部改正)」に基づき、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって通常の診療を超える医療行為を伴う臨床研究
2.研究計画書への記載/インフォームド・コンセントでの説明について
研究責任者は、補償措置を講じるのか(あるいは講じることができないのか)、補償措置を講じる場合にはその内容について研究計画書に記載しなければなりません。また、補償措置を講じない(講じることができない)場合にはその理由を明示する必要があります。
また、研究対象者へインフォームド・コンセントを行う際にも、健康被害が生じた場合の対応として、補償の有無やその内容の説明が必要となります。
研究計画書、説明文書・同意書のひな形に、補償措置の内容に関する文例等記載しておりますので参考としてください。
研究計画書、説明文書・同意書のひな形 |
また、研究内容に応じた補償手順書を作成する必要等もあります。
3.臨床研究保険加入までの流れ
保険加入が必要となる臨床研究に対し、損害保険会社が各種保険商品を販売しております。国立大学においては、KDS国大協サービスが、各社の取り扱い代理店となります。
なお、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき実施する臨床研究については、再生医療学会が主導する再生医療サポート保険(臨床研究)を代理店を通じて紹介することとなります。
<臨床研究保険を販売している保険会社>
- 損保ジャパン日本興亜 (株)
- 東京海上日動火災保険 (株)
- 三井住友海上火災保険 (株)
〈本学の研究者が保険加入をする際の注意事項〉
保険加入が必要となる臨床研究を実施予定の研究者は、臨床研究センターへご連絡下さい。手続き方法について別途ご案内致します。なお、以下の点にご注意下さい。
- 保険加入に際し、代理店を通じて見積もりを依頼します。
見積もりを依頼する際には、「研究計画書」「説明文書・同意書」「見積依頼書(代理店規定様式)」が必要となります。 - 見積もり依頼から回答までの期間には、おおよそ1か月程度必要となります。
- 保険加入時には、補償手順書の提出が求められます。こちらについても臨床研究センターより別途ご案内致します。
- 保険加入にかかる費用(保険料)は、各診療科の負担となります。事前にどの予算で支払うか決定しておいて下さい。なお、公的研究費を用いて保険料を支払う場合には、支払いが不可能な場合もありますので、この際には事前にご相談下さい。